実家の母は90歳、電話の度に足が、膝が痛いと言う。
2階に母の部屋があり、キッチンは1階。
食が細くなったというが自炊をしている。
膝の痛みで、思うような足取りにいかない日常だ。
部屋の中を壁やテーブルなどを伝って歩くのがやっとの状態。
1階にベッドを移して階段を使わない生活にしようと話し合い決めました。
1階はリビングキッチンが一部屋になっています。
その部屋に対して大きな仏壇があります。
仏壇の周りには物がごちゃごちゃと置かれていて、仏壇の扉の模様の彫りには埃が目立っていました。
母の寝起きができて必要なものを置くスペースを作るには、仏壇を小さな物に変える必要がありました。
話し合って母も納得し、義姉が片付け始めて数日後。
母から泣き叫ぶような声で電話がありました。
『仏壇はこのままにしてちょうだい、2階の部屋がいいから。仏壇を変えるのは亡くなってからにしてちょうだい。動けなくなって病院に入るまで2階の部屋がいいから。私の物は私が死んでから片付けてちょうだい。』
部屋の移動は諦めました。
膝が痛い痛いと言いながら、毎日階段を這うように登り降りしています。
痛いを減らしてあげたい想いより、無くなるものへの思いが大きかったみたい。
物がいいから捨てられない。
お金がなかったけど買えたんだ。
もう買うことないから捨てない。
こんな言い訳でとってある物たくさんありすぎます。
母にしてみたら思いいれがあるから捨てたくない。
今の時代はいろいろ言われがち。
捨て活。物を減らせばお金が入る、必要な物が入ってくる。終活。
終活すら思うようにできないでいる人もいるはず。
母の気持ちが治るまで実家へは行かない事にした。